お母さん必見!お薬手帳の見方!!
「薬局からお薬手帳をもらったけど何に使うの?」
「薬の量を確認したいけど、見方が分からない。」
こんなことを思っているお母さん、多いと思います。
大切な子供に飲ませる薬だから、気になりますよね?
そこで、今回はお薬手帳を持つ目的と記載の見方について、
説明していきます!
【目次】
1、そもそもお薬手帳とは??
クリニックや調剤薬局の窓口で、持っているかを尋ねられるお薬手帳。
いつ、どこで、どんな薬を処方してもらい、過去にどんな薬を飲んで、
現在はどんな薬を飲んでいるのかが一目でわかる便利な手帳ですね。
一見、薬の情報だけに目が行きがちなお薬手帳ですが、
その他にも、受診した病院・クリニックと医師名、調剤した薬局と薬剤師名、
なども記載されているのは知っていますか?
医師や、薬剤師は記載されているクリニック・薬局に問い合わせを行い、処方歴だけでなく、詳細な疾患歴さえも確認することができます。
お薬手帳には薬の記録だけでなく病気の記録であるともいえます。
また、お薬手帳には必ず、副作用歴やアレルギー歴、現在や過去の大きな病気を
書いておくページがあります。
医師や薬剤師は、他の病院で処方された薬との飲み合わせや、
患者さんの薬に対する副作用やアレルギーなどを確認してから処方しますので、
お薬情報だけでなく自分の情報も記入しておくと便利ですよ。
このように、お薬手帳には薬だけでなく色々な情報が詰まっています!
2、薬の情報の見方
お薬手帳には、お薬の名前、服用する量、一日に何回飲むのかなど、 さまざまな情報が書かれた紙・シールが貼ってあります。患者である私たちには、服用上の注意なども記載されているので、 お薬の飲み方を確認するために役に立ちます!!
大人であれば、これだけの情報で事足りるのですが、わが子となると、、
そういうわけにも、いきませんよね。
ふとした拍子に、、、
「この前より薬の量が多い気がする」
「この薬はそもそも何の薬?」
「薬は変わっていないって聞いたけど、名前変わってない?」
一つ気になると次から次にと、気になるものだと思います。
そんな時、頼りになるのがお薬手帳!
のはずですが、いざ、見てみると、、、
「1回の投与量はどれ?」「効果は同じだけど名前が前と違う!なんで?」...etc
内容がよく分からない!といった経験あるのではないでしょうか?
そんな、お母さん、お父さんのためにお薬手帳の見方を説明します。
薬の内容が気になった時に参考にしてみてください。
2-1、なぜ分かりにくいのか?
そもそも、なぜ分かりにくいのでしょうか?
その原因は、お薬手帳の“存在理由”にあります。
お薬手帳は患者さんが持っていますが、ふだん中を見ることはあまりないと思います。
なぜなら、薬剤師さんが患者さんのために薬の説明書を別につけたり、薬の袋に飲み方や効果の記載したりしているからです。
それでは、お薬手帳は、何のためにあるのでしょうか?
お薬手帳の存在理由は、医師と薬剤師、または医師同士、薬剤師同士の情報共有です。
お薬手帳には多くの情報が詰まっているので、医師や薬剤師が見れば、
過去の薬の情報、アレルギー・副作用、病気...etcなどを把握できます。
ただし、ご存知のとおり小さな手帳ですので、少ない記載内容で、多くの情報が伝わるように書かれています。
ここに分かりにくい原因があります!
医療者間の情報共有が目的のものなので、
内容を理解するためには、ある程度のルールを覚えておく必要があります。
2-2、情報を読み取るためのルール
それでは、実際にルールを見ていきましょう。
① | カロナール細粒20% | 600mg | |
1日3回 毎食後 | 5日分 | ||
② | アセトアミノフェン細粒20%「〇〇」 | 600mg | |
分3 朝・昼・夕食後 | 5日分 | ||
③ | アセトアミノフェン細粒20%「△△」 | 3g | |
分3 毎食後 | 5日分 |
仮にこのような処方があったとします。
ここで重要なのは、
①②③は全く同じである
という点です。
2-2-1、先発品と後発品
①と②は名前が違うので薬が違うような気がしてしまうと思います。
なぜ、名前が違うかというと、薬には先発品と、後発品(ジェネリック)があり、名前の付け方が違うからです。
先発品:その成分を含む最初に世に出た薬。
後発品:先発品の特許が切れた後に、他の製薬会社が作った薬。ジェネリック薬。
そして、薬の名前は、
先発品:『一般名(商品名)』
後発品:『成分名+「企業名」』(基本的に)
このルールでつけられています。
一般名は製薬会社が覚えやすい名前をつけているので、比較的簡単な名前が多いです。
成分名は、主成分となる化学物質の名前なので、覚えにくい名前が多い印象です。
ここまでの情報をまとめると、①②③は以下のように解釈できます。
①はアセトアミノフェンという化学物質で作ったカロナールという商品名の先発品
②はアセトアミノフェンという化学物質で〇〇という会社の作った後発品
③はアセトアミノフェンという化学物質で△△という会社の作った後発品
①②③は同じ成分を使った、製造会社が違うだけの薬であることが分かると思います。
2-2-2、製剤量と成分量
①②③が同じ薬と分かったところで、
次は『600mgと3gが同じ量』であることについて説明します。
ここでは製剤量と成分量が関係しています。
製剤量:薬全体の量。単位:g
成分量:薬の中に含まれる 効果を示す成分の量。単位:mg
示している重さが製剤量なのか、成分量なのかによって
単位が異なるところが重要です。
今回、例に挙げているお薬は『20%細粒』(=薬全体の20%が主成分)ですので、
成分量=製剤量×0.2
この式が成り立ちます。
②の場合、単位がmgなので、重さ(600mg)は成分量です。成分を600mgにするために必要な薬全体の量(製剤量)は、さっきの式から600mg=A×0.2。よってA=3000mg=3gとなります。
③はこの逆ですね。
どうでしょう?『成分量:600mg』と『製剤量:3g』が同じ量であることが分かると思います。
2-2-3、まとめ
いかがですか?今回説明した名前と単位のルールを覚えておけば、
①②③が同じであることが分かると思います。
大人に比べて、子供用の薬は粉薬が多いので、特に、投与量を確認するときに、mgとgの違いは、お母さんを混乱させているのではないかと思います。
お薬手帳にmgで記載するか、gで記載するかは、薬局やクリニックごとに違います。
薬局に置いている薬も場所によって異なるので、薬局が変わったタイミングで、薬の名前や重さの記載が変わる可能性があります。
注意してみてください。
3、最後に
今回この内容にしたのは、知人のママからお薬手帳の見方について相談されたからです。薬剤師や、医師にとっては当然のルールも、一般の人から見れば、分かりにくいルールだなと思いました。私の知人のように、悶々と悩んでいるお母さんの参考になれば光栄です。
※今回記載した内容は、概略であり、分かりやすく書いています。細かいことを言えば、違うこともあるので、そこのところご了承ください。